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Building for the future in 2025(日本語訳)

こんにちは!キャディnote編集部です。

今年もいよいよ年の瀬ですね。(早すぎる!!!)
12月になるとホイホイやってくる、アドベントカレンダー。
キャディは今年、Tech/Product メンバー有志で実施しました!

大トリはCTOの小橋が務めました。
渾身のTech blogがこちら!!

そう、全編英語です!!
何を隠そう、小橋はアメリカ育ちで(スタンフォード卒、2社を経てApple本社でAirPodsの開発リードなどを担っていました)、第一言語は英語。
そしてキャディ、最近は英語を第一言語とする方も増えてきており、応募いただく方も増えているんです。
※ちなみに小橋がblogを執筆したのは約2年半ぶり!(前回はCADDi Drawerローンチ時のこちら

渾身の長文blogで、面白いし、読み応えがすごい・・・!
のですが、
日本語でも読みたい…!
英語長文読み慣れてないよ…?
DeepLぶっこむのはちょっと手間だよ…?
という方のために、日本語ver.をお届けしたいと思います!

以下、引用(翻訳版)です。それではお楽しみください。


2025年の未来に向けて

もうすぐ2024年も終わろうとしています。この記事は、CADDiのプロダクトチームによるAdvent Calendar 2024の最終記事です。ほとんどのブログは日本語で書かれていますが、CADDiは4カ国にオフィスと顧客を持ち、世界中から社員が集まっているため、私は英語で書いています。


まず振り返り

スタートアップ企業では一般的に毎年、前年よりも早く感じるものですが、今年はさらに、過去数年よりも濃密でバラエティ豊富な一年だったと感じました。私たちはエンタープライズ向けSaaS製品で驚異的な成長を遂げましたが、その道のりは大変なものでした。飛躍的な成長には困難な課題もつきもので、今年は経営陣の強化、事業統合、エンジニアリング・チームを巻き込んだ管理会計の改善、VPoEオフィス内に専任のリクルーティング・チームを編成、新しい地域向けのガバナンス・プログラムの実施、海外採用の再開開始、など多岐に渡る活動をしました。

CADDi Drawerのはじまり

プロトタイプに対する初期フィードバック

私たちは数年前にCADDi Drawerをローンチしました。始まりはちょっとしたアイデアでしたが、わずか数日でプロトタイプを完成させました。プロダクトとは呼べないような代物でしたが、興味を惹き、顧客ヒアリングを通じて貴重なフィードバックを得るには十分でした。その結果、この製品の潜在的な買い手やユーザーを見つけることができました。スタートアップの世界では、新製品が業界の専門家から質の高いフィードバックを得るのに苦労することがよくありますが、私たちは幸運にも、当時の主力事業であったCADDi Manufacturingのおかげで、製造業の専門家という既存の顧客基盤を持っていました。

この事業では、バーチャルな工場として、複雑なサプライ・チェーンを構築・運営し、カスタム・オーダーの機械部品を顧客に提供していました。最盛期には、日本全国とベトナムに検査・倉庫を構え、お客様に出荷する前に部品の最終検査を行っていました。その後、その事業はCADDi Drawerに統合されましたが、物理的なサプライチェーンの運営で汗と涙を流したことで、私たちは製造業者が直面する問題を深く洞察することができました。

CADDi ManufacturingのソフトウェアがDrawerプラットフォームに統合

プロトタイプに話を戻しましょう。これは基本的にGoogleの画像検索に似たユーザー・インターフェースでしたが、機械図面のためのものです。これらの図面は、正投影図と呼ばれることもあり、作成される機械部品、そのさまざまな寸法、その他のエンジニアリングの詳細をグラフィカルに表現したものです。典型的な自動車には、このような図面が何万枚もあり、組み合わされる部品ごとに1枚ずつあります。

最初のデモは限定的なものでした。「ブラケット SS304」といったキーワードを入力すると、そのキーワードを含む図面のプレビューがグリッド状に表示されるのです。私たちを驚かせたのは、どのデモでも一貫して、「このプレビュー機能は、大量のデータを一気に確認するのにとても役立っている」という肯定的なフィードバックをいただいたことです。私たちの多くが当たり前のように体験しているプレビュー表示に、なぜ顧客はこれほど興味を示したのでしょうか?同様の体験をさせてくれるソフトウェア・パッケージやサービスは、世の中にたくさんあります。Windowsの古き良きファイル・エクスプローラには、リスト・ビューとグリッド・ビューの両方があるし、SharepointやGoogle Driveでは、テキストによる検索が可能です。

ドメインの専門知識の重要性

その違いは、ユーザー・エクスペリエンスの細部にあると私たちは気づきました。それは、検索とレンダリングのスピードであり、図面プレビューがちょうど良い大きさである、ということでした。全体的な形状やその他の重要な詳細を識別するのに十分な大きさでありながら、効率的な視覚も実現してくれる大きさなのです。B2B企業向けソフトウェアは、ユーザー・エクスペリエンスを向上させることはあまり知られていませんが、現場ではそれが大きな違いを生みます。結局のところ、購買チームはエンドユーザーとは異なります。とはいえ、私たちは適切な方法で痒いところに手が届く力を信じています。しかし、ただ痒いところに手が届くだけでは世界を変えることはできません。私たちは社内で「ダブル・ループ」と呼ぶ概念を持っています。つまり、現場での小さな積み重ね(スモール・ループ)が、大きな企業戦略の転換(ビッグ・ループ)を築き上げ、実行する動機付けになるというものです。

大きな成長を遂げた後に改めて振り返ってみると、この現場横断的な問題に対処する「ドメイン特化のソフトウェア」が不足していることが明らかになりました。一般的なソフトウェアの専門家が、製造業のような関わりのない業界の現場の問題・プレッシャーを理解し、共感することは難しいです。私たちは、ソフトウェアで解決可能な問題を特定するには、技術力と業界の専門知識の組み合わせが必要だと考えています。機械加工品やシートメタル製品を物理的に製造・納品してきた当社の伝統のおかげで、幸運にもその両方を備えたチームを育成する機会に恵まれました。また、ソフトウェア・チームには、決済システム、eコマース、モバイル・アプリ、IoTなどの幅広いバックグラウンドを持つエンジニアがいます。

CADDi Drawerトップページ画像

当初は、既成の検索ツールを利用したグリッド・ビューというシンプルなデモから始まりましたが、現在では国内外の大手企業の強力なナレッジエンジンへと変貌を遂げました。CADDi Drawerは、図面だけでなく、3D CADやドキュメントといった他の貴重なデータ資産にまで拡張され、Manufacturing Intelligenceのプラットフォームとなったにもかかわらず、CADDi Drawer製品は、グリッド・ビューという、その黎明期からの重要なユーザーエクスペリエンスの教訓をいまだに保持しています。

「製造業」

物理学による物事の複雑性

製造とは、アイデアを具体的な物理的現実にすることです。スマートフォンから自動車、アプリを動かすデータセンターまで、あらゆるものを支えています。デジタルの時代であっても、私たち人間は物理的な世界に生きています。パンデミックの際には、私たちの生活がどれほどモノの流れを支えるグローバル・サプライチェーンに依存しているかを目の当たりにしました。おそらく、私たちすべてがマトリックスに接続されるようになれば、状況は変わるでしょうが、いずれにせよ、私がその世界に住みたいかどうかはわかりません。

デジタル製品に比べ、物理法則はすべてを複雑にしています。間違った場所に穴を開けても、Ctrl-Zを押して元に戻すことはできない。部品を落として壊してしまったら、コピー&ペーストで作り直すことはできない。設計を変更して寸法を変更した場合、既存の物理部品を新しい寸法に移行することはできません。必要なナットやボルトが時間通りに組立ラインに到着しなければ、サプライヤーに電話して問い合わせるしかない。つまり、プロセスの早い段階で、理想的にはデジタルの世界でミスを修正する方が、天文学的に安上がりなんです。いったん物理的な世界に入ってしまえば、経済的に「物事を修正する」ためにできることはほとんどない。

ベテラン社員の知見喪失危機

製造業に携わる企業は、小規模な製造工場からフォーチュン500社に至るまで、熟練労働者の不足に直面しています。何十年にもわたって蓄積されてきた知識と経験の喪失は、誰にとっても深刻な結果をもたらします。すべてを見てきたあの人に聞くことがもうできなくなります。歩く百科事典であるベテランは、気まぐれに質問に答えてくれる存在ではなくなってしまいます。

デジタル技術の出現によって、ロボット工学やオートメーションは大きく進歩したが、重要な経験の多くはいまだに倉庫に保管された紙の束の中にあり、ベテランの方の頭の中にキャッシュされています。デジタル技術やAIに関する報道がされていても、世界最大級の工業メーカーでさえ、いまだに無数の歴史的な図面を箱の中に保管していると聞いて驚きます。図面をスキャンしてファイル・サーバーに保存するだけでは意味がないです。

ソフトウェアの分野では、すべてのソフトウェアや設計ドキュメントがデジタル空間にあり、キーに触れるだけですぐにアクセスできる傾向があります。私たちは、情報へのアクセスのしやすさ、既存のコンポーネントを再利用する能力、そしてそれらの上に構築する能力から恩恵を受けています。対照的に、製造業にはもっと長い歴史があり、私たちソフトウェアの専門家は、過去を活用し、業界を前進させるために一歩踏み出す必要があります。

今日の製造業が直面するプレッシャー

パンデミックの際のサプライチェーンの混乱から、世界各地で勃発した地政学的対立に至るまで、この10年間で、世界はますます不安定になっています。私たち消費者は、よりバラエティに富んだ商品が、より早く、より手元に届けられることを求めます。また、CO2排出量や環境への影響に対する企業の責任を高めていくことを求めます。製造業は、物流、国境、経済、政治と切っても切れない関係にあり、私たちの日常生活を支えている製造業は、新たな現実に適応するために変化し続けなければなりません。

製造業は変わりつつある

私たちは、過去数十年にわたり蓄積された知識を活用し、過去のデータから学ぶことが最善の道だと信じています。私たちは現在、データエンジニアリングへの投資、ドメインに特化したAIモデル、日常業務の邪魔にならずにデータ取得を可能にするアプリケーションの構築を通じて、既存データを意味ある資産に変換していくことにフォーカスしています。

ソフトウェア・エンジニアリングについて

個人的には、技術者としてウェブ関連の技術に携わることはワクワクの源泉です。私が以前携わっていたベンダーに依存した組み込みシステムに比べ、ウェブ開発のオープンな性質は新鮮な風をくれます。世界中の大企業がオープン・スタンダードで協力し、来るべきもののための基盤を築いているのだから。エコシステムのボラティリティの高さに気を取られることもありますが、同様にその自由さが、インターネットとブラウザが達成できることの限界を押し広げてくれているとも感じます

思いつく2024年のハイライトをいくつか挙げると、SuspenseとReact Server ComponentsをベースにしたReact 19がリリースされました。XZ utilsのバックドアは、ソフトウェアのサプライチェーンを安全にすることの難しさを強く思い知らされました。ClickHouseはIcebergのサポートを追加し、DuckDBは1.0のマイルストーンに到達しました。2024年版では、Rust言語に対する大きな変更が行われ、あと数ヶ月で安定版としてリリースされます。Kubernetesはいたるところで利用され、10歳を迎えました。OpenAIはリアルタイム・ベクター・データベースRocksetを買収し、主要なクラウド・プロバイダーは独自のLLMの開発に励み、MetaはLlama3をオープンなモデルとしてリリースしました。

ウェブ開発、データ・エンジニアリング、そしてAIの世界では波乱に満ちた1年でした。しかし、業界のいちプロフェッショナルとしては、そんなことはどうでもいいです。私たちには解決すべき問題があり、テクノロジーはそのための手段です。プログラミング言語も、フレームワークも、メソッドも、道具箱の中の道具にすぎません。私が舞台裏の驚異的なエンジニアリングについて語りたいのは山々ですが、顧客はそれどころではない。”特に優秀なエンジニア”が”普通に優秀なエンジニア”と違うのは、仕事に最適なツールを入手し、選択し、活用する能力です。単に機能するだけのツールではなく、最もベストなツールを選択することができる。その最高のツールとは、必ずしも最もエレガントな技術的アーキテクチャにつながるものではないが、組織と顧客が直面する問題に適合するものです。そしてそこに、私自身、そしてより大きなソフトウェア・コミュニティにとっての、今後数年間の課題のひとつがあると思っています。私たちは、技術的進歩の追求と、問題解決のためのツールの効果的な応用という、やや直交する2つの目的に向かって同時に取り組まなければなりません。

エンジニアを育成し、未来へつなげる

「ハンマーしか持っていないときは、すべてが釘に見える。」という諺があります。世の中にどのようなツールが存在するかを知り、その知識をコミュニティと共有するために、個々のツールボックスを成長させ続けることは、ソフトウェアの専門家としての私たち自身に対する責任です。しかし、適切な問題に対して適切なツールを活用することで、雇用主の最善の利益のために行動していることを確認することは、従業員としての責任である。それが好奇心をくすぐるからではなく、顧客にとって最良の結果につながるからです。

CADDiでは、ハードスキルとソフトスキルの両方を備えたツールボックスがあればこそ、最適なソリューションを構築できると考えています。CADDiのソフトウェア・エンジニアには、各分野に精通したT字型のスキルを持つだけでなく、製品を作り上げるために何が必要かを総合的に判断できる人材であってほしいと考えています。私たちは、エンジニアに、テクノロジーの目まぐるしい変化についていくだけでなく、テクノロジーの内外で幅を広げ続けてほしいと考えています。お客様のおかげで、私たちのビジネスと製品はかつてない成長を遂げていますが、それに伴い、ビジネスの経済性、人間の複雑な思考、そして環境の変化に対応する能力も必要とされています。

先進国の多くが、より安価な製品を求めて製造業を海外にアウトソーシングする中、日本は製造業の牙城であり続けてきました。私たちは日本のエンジニアリング・チームとしてこれを活用し、日本の製造業の専門知識と、グローバル化し続けるソフトウェア・エンジニアリングの労働力という、両方の世界の長所を取り入れています。しかし、この利点とともに、日本という比較的均質な文化の中で多様性の高い労働力を抱えるという課題も生じる。最も顕著なのは言語ですが、商習慣や文化の違いも思い浮かびます。

昨年、私たちはこの課題に対して大きな前進を遂げました。多くの素晴らしい人材が経営陣に加わり、その多くは日本と海外の両方で経験を積んでいる。米国でビジネスを展開した者もいれば、アジアで開発センターを立ち上げた者もいる。また、言語が混在する多国籍チームのニーズに対応するため、エンジニアリングに特化した人事機能を開発することで、より多様な職場環境を実現できるよう取り組んできました。
開発部門のAll Hands meetingsは、英語と日本語の2回行われます。私たちは地理的な違いを考慮し、地域ごとの全体mtgを設けています。

私たちは完璧ではありませんが、世界トップクラスの日本の製造技術と世界トップクラスのソフトウェア・エンジニアリングを組み合わせることで、お客様の価値発揮に貢献し続けることを目指しています。

私たちは、より良いソフトウェアを求めるお客様の声に応えて、過去データを資産に生まれ変わらせられるように、世界各国からの採用を加速させています。このブログ記事によって、私たちの仕事の潜在的な影響力を少しでも多くの人にご理解いただけることを願っています。CADDiのミッションは「モノづくり産業のポテンシャル解放」であり、来年はチーム、ビジネス、顧客基盤を世界中に急速に拡大する変革の年となるでしょう。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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